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深い森で迷子になるような、資金調達の谷間

樹海で迷子になる。
想像するだけでも背筋に寒気が走ります。

仮に、何人かで連れ立ってそのような場面に遭遇したとします。
薄暗い森の中、数日間さまよっても、未だどちらに行けばいいのかわからない。食べ物もだんだんなくなってくる。不安だけでなく、苛立ちや焦燥感も募る。「もうダメだ」と嘆く人、「だからやめようと言ったんだ」とリーダーを罵る人が出てくる。
こんな状況を容易に想像できます。

出口が見えない。

これは人間の心理を追い詰め、チームの絆を切り裂く負の威力があります。

いろんなスタートアップで何度もこういう場面に遭遇してきました。


スタートアップの資金調達は、会社の実績が乏しい段階でも、起業家の優れた構想と人望でそれなりの金額を集められることがあります。

そして、期待に満ちたスタートを切り、プロダクトをリリースし、おのれの志を世の中に問うてゆく。

しかし。3ヶ月、半年、1年。月日を重ねても、顧客やユーザーからポジティブな反応が得られない。KPIが低空飛行を続ける。

すると、出資者も苛立ちを見せ始める。微妙な空気の中でチームバランスが乱れる。愛するべきプロダクトをけなす者が現れ始める。社内でイザコザが始まり、ツバを吐いて辞めていく人が出てくる。

深い森で出口が見つからず、どちらに進んだらよいのか、全くわからない状況と似ています。

やがて資金の底が見えてくるわけですが、こういう状況だと新たな資金調達は難しい。シリーズAは構想という”夢”の力で調達できましたが、サービスを走らせている段階では、投資家から実績を問われてしまうからです。


しかし、いまをときめく上場会社も、似たような状況をくぐっています。この手の話はあまり表にでてきませんが、世間の知らないところで、極めて難しいことが何度も起こっています。

こういう濃霧の渦中では、私たちの本当の目的は何か?本当に集中するべきことは何か?とか、会社や人間の本質を考えざるを得なくなります。なぜなら、そこまで立ち返らなければ解決の糸口がつかめないからです。

でも、これが知らぬうちに洞察力となって蓄積され、この先の事業を成長させるのに必要な基礎体力や胆力をつくってゆくのかもしれません。


そして同時に、先の見えない極めて不透明な状況の中でも、真剣な試行錯誤の先には、必ず兆しがあることも学びました。

兆しが見えれば次の資金調達を仕掛けることも可能になります。

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吉島彰宏(よしじま あきひろ)

起業成長のアシストが役割。資本政策が専門。ピースオブケイク、トレタ、クラウドクレジット、Dr.JOY、QON、ワンダープラネット、JARMEC、ウェルモに関与。
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