スタートアップの資金調達 核心は何だろう?

スタートアップの資金調達。これは結構骨の折れる仕事です。

資金調達ができないと会社は大変なことになっちゃうし、
でも、投資家さんはそんなことはお構いなしでいろいろと無理な条件を突きつけてくるし、
会社の株主さんとも調整しなきゃならないし、
期日までに調達しなければならないし。

やっている最中は、心がホント消耗しますw

世の中、華々しい資金調達リリースをよくみかけますが、条件面で簡単に譲歩しないかぎり、楽勝で資金調達できているスタートアップはほとんどないんじゃないかな。

資金調達活動を、いろんな会社で何回も何回も繰り返してきました。
そんな中で、あらためて資金調達の核心は何だろう?と振り返りました。

資金調達の核心とは??

それは「物語」です。

まずは、資金調達とは何か?について、今一度考えてみます。
資金調達は、法律を無視して言うと「自分の会社の株式を販売すること」といえます。株式を投資家に買ってもらい、代金を会社が受け取ること。

資金調達は、自社株式のマーケティング&セールス活動です。

さて、資金調達の肝は何なのか?ですが、買物の買う側を見るとわかりやすいです。

例えば食材。私は料理をつくるのが好きで、休日に家にいる時は自分がつくらないと気がすまないんです。だからよくスーパーに行きます。

スーパーで買い物をする時、「今日は、雑誌の写真にでていたようなカレーをつくろう」とか、「この間レストランで食べた超おいしいチキンサラダを再現したい」とか、数時間後に得られるであろう未来に、少しワクワクしながら買い物をします。

これは、洋服を買う時も、スマホを買う時も、家具を買う時も同じですよね。

買うという意味では食材もスタートアップの株式も同じですが、異なることがあります。

食材を買う時は、期待する未来がかなりはっきりしています。豆腐とひき肉で麻婆豆腐を得る。鶏の胸肉とレタスでチキンサラダを得る。

では、スタートアップに投資する人々にとって買いたいもの、つまり、期待する未来は何なのでしょうか?

それは「投資した会社が上場すること」です。
でも、実現は何年も先。しかも、麻婆豆腐と違い、その未来が得られるかどうかはかなり不確実。

ここが食材とスタートアップ株式との違い。
でも、逆にここが肝です。

つまり、不確実な未来ではあるが、自分たちのワクワクする気持ちを投資家にトランスファーして、「もしかしたら、すごいことになるかもしれない!」を共有することことが核心部分です。

値段や取扱説明書、つまり、時価総額などの投資条件や詳細な数値計画の話の前に、まずは相手が「ほしい!」と思うかどうか。

そのために、未来の物語をつくること・語ること。
そのために、未来への補助線を引いて、投資家が未来のイメージをつくりやすくすること。
ここが核心部分で、エネルギーを注ぐのはここに尽きます。

核心は起業家が繰り出す未来物語
プレゼンスライドの究極の理想は「紙芝居」。

それではまた次回!