スタートアップの資金調達 「物語」は最強の武器である。
巨大帝国、軍隊、集団一揆、グローバル企業・・・。
人間は過去、いろんな集団をつくってきました。多くの人たちが協力しながら大きな集団を形成しています。よく考えるとすごいですよね。見知らぬ人同士が協力して、時に命をかけていたんですから。
「サピエンス全史(河出書房)」という本によれば、これが人間とその他の動物の決定的な違いであるといいます。
例えば、人間に比較的近いサルも集団をつくって暮らしますが、1つの集団は50匹が限界で、それ以上になると分裂します。しかし人類はその限界を超えて集団を形成してきました。
それが実現できる理由はなにか?
「すべては物語を語ること」「その物語を信じさせること」
によると著者は書いています。
法律も計画も貨幣も、すべて形のない概念。頭の中で描く虚構の世界で生きられるのが人間の特質ということでしょう。なるほどなるほど。
きっと、帝国を築いた人も、巨大企業をつくった人も、最初は自分の思いを語ることから始まったのではないでしょうか?
その物語が、人々の心を動かし、徐々に人が集まり、お金の出し手が現れ、やがて大きな集団に発展してゆきました。
資金調達をしていると、この言葉の真っ只中にいることを実感します。知名度も実績もない状況の中、戦える武器は起業家が語る未来の物語しかない。
でも時に、この物語が、世の中と未来を変える最強の武器となるわけです。