スタートアップの資本政策 時価総額の話で投資家の眉間にシワが寄る。

投資家との初回の面談に臨み、起業家が抜群のプレゼンテーションを行う。
質疑の応答も適切で、とてもよい雰囲気でミーティングの終盤を迎える。
最後に投資家から「時価総額の目線はいくらですか?」という質問がくる。
「○億円を考えています。」と回答したところで、急に投資家の眉間にシワが寄る。
そこに至るまでの温かい空気が一変する。。。

このような場面を茶飯事のように繰り返してきましたw

言うまでもなく、投資家からすると株価が高過ぎるという反応。

時価総額。。。今日は時価総額にまつわることを記載します。

時価総額は投資家にとっての「商品の仕入れ価格」です。

これは、スタートアップの将来性と同じくらい、いや、もしかしたらそれ以上に重要なのかな、と思うくらい議論になります。

話し合いが難航する理由はいくつかありますが、その理由の1つに出資側の出資会議があります。

出資の決裁権を持っている方々が、起業家と密に話し合っていないと、スタートアップのポテンシャルや熱量を肌で感じていない場合があります。

そんな中で、フロントの方々が出資会議に臨んだ時に、決裁・審議メンバーから、

「お前、いくらなんでも高過ぎだろ?」
「ちゃんと交渉してるのか?」
「妥当性を説明できるのか?」

と言われるのが目に見えているからかもしれません。

でも、この詰問への論理的な反論は難しい。
仕入れ値を決めるには売値がいくらなのかを知らなければなりません。しかし、お店で売っている商品と違って、売値の見立てはその会社の未来の姿をどこまで強くイメージできるかによります。論理的な説明がつかなくても当然です。

また、起業家と話し合って肌で感じるものがないと、考えが保守的になっても仕方ありません。

すると、売値を考えるにあたり、

・スタートアップ企業の上場時の時価総額は、歴史的に平均で50億円〜100億円である。
・これを売値の基準する。
・その上で仕入れ値の妥当性を決める。

このように、未来の売値を、実際に新規上場したスタートアップの過去の平均値で固定する、というのが、少なからぬ出資側の、心のどこかにあるかもしれません。

これは逆に言うと、個々の会社のポテンシャルの大きさは無視する、という考え方でもあります。

そこで、もし私たちが会社の未来の大きさを心から信じるなら、それを相手にインスパイアーして、既存の考え方をオーバードライブしてもらわねばなりません。もちろん難易度は高いです。

でも、もしそれができれば、相手の思考を、
「平均値で固定する」から、
「時価総額1,000億円のスタートアップにするための資本政策を組んでいく」という創造志向に導くことができるかもしれません。

実際に、こちらの信じる強さ次第で、相手の考えが変わることがあります。

米国でVCをやっている知り合いが言っていました。
「Googleの案件がきた時さ、オレ株価が高いって断っちゃったんだよね。あれ持っておけば、すべての損失がカバーされて、しかも余りあるパフォーマンスが出せたんだけどさ。あれは最大の後悔なんだよね。」

自分が見たことがないこと、経験したことがないことは、疑わしく感じるものです。

売値・仕入れ値の考え方は、人それぞれで、何が適切であるかなど、私に言う資格はありません。

ただ、世の中を進歩させてきた人たちは、人類の未体験ゾーンを現実化してきました。

時価総額について、過去の平均平均値に立脚するより、未来創造志向の投資家が増えると、日本のスタートアップや投資家の未来も、そして日本の産業の未来も大きく変わるんじゃないかな、と思うことがあります。

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吉島彰宏(よしじま あきひろ)

起業成長のアシストが役割。資本政策が専門。ピースオブケイク、トレタ、クラウドクレジット、Dr.JOY、QON、ワンダープラネット、JARMEC、ウェルモに関与。
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