凄まじいGoogleの財政状況とは?
Facebook・Amazonと見ましたけど、ここまできたらGoogleも、ということで、Googleについても覗いてみます。(正確にはAlphabetですが、今回はGoogleで通します)
財政的にもすごそうなのはわかるけど、実際どれくらのものなんでしょうね?
バランスシートは?
まずは、2015.12のバランスシートから。
いつもどおり、話を簡単にするために$1=100円の概数で表示します。
現金等 7.3兆円
売掛金 1.1兆円
設備等 2.9兆円
のれん 1.5兆円
その他 1.9兆円
資産合計 14.7兆円
現金が7.3兆円!
ものすごい金額ですね。Facebookの2.3兆円、Amazonの1.9兆円でもビビりましたが、やはり図抜けています。
「のれん」というのは、主に企業買収した時などの、企業価値のと実際の財政状況との差額ではないかと思います。
続いて負債を見てみますが、あまり目立ったものはなく、資本と合わせてみると、
負債 2.7兆円
純資産 12.0兆円
負債・資本合計 14.7兆円
となります。
純資産が12兆円ですからね。
自己資本比率が81%ですからね。
2015年に、Space Xに1,000億円出資して、「おーっ!」と思いましたが、財政状況を考えると、全く問題のない金額感です。
PLは?
さてさて、これだけの財政状態を作ってきたのは、もちろん、毎年の売上と利益ですが、最近はどれくらいの業績で推移しているのでしょうか?
毎年、兆円単位のお金を積み上げることができる状態ですから、自己資本は積み上げる一方です。
社員数
フルタイムの社員数は、2015年12月末で約62,000人。開発系が23,000人、セールスマーケティングが19,000人、業務オペレーションが10,000人、アドミが8,000人くらいです。
" we had 61,814 full-time employees: 23,336 in research and development, 19,082 in sales and marketing, 10,944 in operations, and 8,452 in general and administrative "
(Annual Report 2015.12)
売上高の内訳は?
では、どんなサービスからいくらくらいの売上が上がっているのでしょうか?
Googleは元々秘密主義的なところがあるようで、あまり詳細にディスクローズしていませんですので、会社が公表している数字と、各方面の推測を元に記載します。
まずは会社が2015年3Qで公表した以下の数字。
(Alphabet IRページより)
2015年3Q以降、このようなスライドは公表されていません。
イエローのGoogle Sitesは
Google Youtube GooglePlay GoogleMapなど、自社サイトの広告収入。
グリーンのNetworkは
AdsenseなどGoogle Site以外の提携サイトの広告収入。
ブルーのOtherは、
FiberやVCなどなど。
これを元に2015年12月の通年の売上高7.4兆円を推測しますと、
Google Site 5.2兆円
Network 1.5兆円
Other 0.7兆円
こんな感じと思います。
Google SiteとNetworkを合わせて、広告収入がおおよそ6.8兆円と全体の約9割ですね。
Google PlayやYoutubeの売上金額は?
この広告収入の内訳がわからないのですが、YoutubeやGoogle Playの広告収入はどれくらいなのでしょうか?
海外の投資銀行が推測値を出していますが、バラつきがあります。おおよそ、Youtubeが8,000億円、Google Playが5,000億円、くらいのイメージのようです。十分すごい金額ですが、全体からすると、小さく見えてしまいます。だからきっと、まだまだ大きな成長を画策してゆくと思います。
売上高が7兆円を超えてもまだ伸びているのは本当にすごいですが、伸びが鈍化している、などと言われるのは超巨人の宿命かもしれません。
潤沢な資金を保有し、業績も成長しているGoogle。
好調の中で、2015年にAlphabetという持株会社組織に変更しました。
なぜ、組織を変更する必要があったのでしょうか?
ちょっと長くなったので、次回にします。