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マネーフォワードの決算説明資料から読む、ユーザービリティの優位性

マネーフォワードの利用感想
私は会計の仕事をしていたことがあります。
なので、これまでいくつかの会計ソフトや会計サービスを使ったことがあります。

私がマネーフォワードにはじめて触れたのは、確か2014年です。関わる会社でマネフォを導入することになったからです。

はじめて触れた時、すぐに「これは使いやすい!」と思いました。当時は少しレスポンスが遅かったのですが、それまでの会計ソフトに比べたら、ユーザビリティは圧倒的によかったです。

ここをワンクリックしたら、これが表示されるであろう。

迷うことのない操作性とは、無意識な推測で指を動かし、そのとおりの結果となることと思います。
マネーフォワードは推測どおりで、操作がストレスフリーだった記憶があります。

また、会計では過去伝票を頻繁に検索するのですが、別の会計ソフトではちょっと手間だったのが、マネフォは手間が少なく探せる。。。

ユーザビリティって、ほんのわずかなことなんですが、これがプロダクトの成否を大きく分けるんだな、としみじみ感じました。


業績状況
さて、そのマネーフォワード社は、2017年9月に上場しました。
上場後、業績はどんな感じなのでしょうか?

決算説明資料をみてみましょう。以下の表は2018/11期と2019/2期の決算説明資料に掲載されている情報です。

まずは2018/11期までの売上高推移です。
2018/11期は売上高が約46億円。

2018/11期の売上高46億円の主な内訳は以下です。

左は法人向けサービス、右は個人向けサービスです。

素晴らしい成長ですね。

そして四半期ごとの売上高推移ですが、2019年1Qは、

上場直前の2016年11月期の1年間の売上高は15億円。
2019年1Qの売上高が14億円ですから、上場直前期の1年分の売上を、ほぼこの第一四半期だけで達成していることになります。素晴らしいですね。

社員数は以下のとおり。2019年2月末で約450人。

かなりの勢いで人数が増えてきましたね。
組織運営面の苦労の有無は別にして、スピーディにサービスを改善し、加速させ、次の成長機会をつくるには人手がいくらあっても足りない状況かもしれません。

これまでのところ、同社の業績を牽引する法人向けのクラウド会計の対象顧客は、上場会社より中小企業やスタートアップに軸足を置いていると感じます。確かに、日本の企業数は400万社、上場会社はわずかに3500社。企業の数から見ると、上場会社はかなりのニッチですね。

大きな会社相手の商売は、商談金額は大きいものの、何度も呼び出されて、カスタマイズ要件を突きつけられ、最終的に導入に至らず、みたいな苦労が多いと思います。

それならカスタマイズなし、低額でネットから手軽に利用する小規模企業を中心に据えるのは、戦略として当然にアリですよね。


利益ですが、引き続き赤字を計上していますが、これだけ伸びているし、第3、第4の成長軸をつくるためにも、先行投資を行った方がよい局面と感じます。

そして、赤字をささえるための財務基盤をつくるために、2019年1Qに66億円の増資を行っています。赤字でも売上高が伸びているので、時価総額が下がらないから増資しやすい環境だったのかもしれません。


(ここから先は私の勝手な推測です)
次の成長ドライバー

さて、サービスラインですが、以下のとおりです。


この中で、すでに成長途上にあるのが、法人向けサービスのクラウド会計と個人向けサービスのマネーフォワードME(家計簿)の2つですが、それ以外にもいろんなサービスが立ち上がっていますね。

スタートアップは一点突破の集中が必要ですが、上場の目的の1つはさらなる事業成長と思います。とすると、今成長しているサービスにフォーカスすると同時に、第3軸、第4軸と、次の成長ドライバーを生み出していきたいところです。

サービスラインを多数持つことの真意や、サービスごとの運用負荷のことはわかりません。

ただ、サービスを複数リリースし、その中からビッグ・ヒットを生み出そうとするのは、持続的な成長を目指す会社にとっては自然な行為かもしれません。

googleもamazonも、これまで多数のサービスを出しては撤退しています。

サービスラインを複数持って顧客の反応を見て、その中で手応えのつかめるものを次の柱にしてゆく。
これは持続的な成長をつくりだす手筋と思います。

的に当たるまでボールを投げ続ける。
そのためには財政基盤が必要だから、その手も打っておく。


本当の優位性
マネーフォワード社は、バイオテクノロジー以外の業種で、本格的に赤字上場の先鞭をつけました。また、SaaS、フィンテックという旬のキーワードをとらえた会社としても賑わっています。

ただ、同社がこのように成長を続けている本当の理由を1つだけ挙げるとするならば、それはユーザビリティではないかと思います。使用感。操作性。

私は確定申告をする必要があるので、マネーフォワード確定申告を利用していますが、利用する理由は、SaaS企業だからでも、フィンテック企業だからでもなく、ユーザビリティがよいからです。そして多くのユーザーが同じように思って利用しているのではないか?と思います。

マネーフォワード社は法人向けサービスでは、給与、勤怠、経費精算など、競合サービスがある中で戦っているわけですが、いずれのエリアも「これは超いい!」というサービスはあまりないように感じます。

もしマネーフォワード社が勝者となるのであれば、テクノロジーでユーザビリティをどこまで実現できるか?にかかっているように思います。

ユーザビリティは、真似できるようで、実は模倣が非常に難しい差別化要因と思います。

ユーザビリティは、大切なことはわかってはいるが、実現できない会社が多いと思います。

また、SaaSやフィンテックといった業態の流行やデバイスや競合製品は時代とともに変化しますが、ユーザビリティは、利用者にとって永遠に変わらないニーズだと思います。

そして、家計簿、会計、勤怠、経費精算、給与計算、いずれも、究極のユーザビリティとは、人手を介さないで完結する、ということかと思います。

お金を前へ
人生をもっと前へ
ユーザビリティをさらに前へ

勝手な軽口をたたいておりますが(謝)、

Slackは優れたUXの提供で、類似サービスを大きく引き離している途上にありますが、マネーフォワード社もその途上にあるのかもしれません。

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吉島彰宏(よしじま あきひろ)

起業成長のアシストが役割。資本政策が専門。ピースオブケイク、トレタ、クラウドクレジット、Dr.JOY、QON、ワンダープラネット、JARMEC、ウェルモに関与。
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