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日米スタートアップのファイナンスと事業の攻め筋。

2018〜2019に上場した日米話題のスタートアップのファイナンスについて見てみた。
1USドルは100円で計算。

まずは上場までの資金調達額の推計(単位:億円)

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(米国企業はS-1、国内企業は上場目論見書から推計。)

ちなみに「Uberがないぞ?」と思うが、Uberを入れると、

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こんな風になってしまうので今回は外した。

日本のスタートアップでも、上場までに100億円内外の資金調達ができるようになってきたのは大きな変化だ。一方、米国は1,000億円内外の資金調達をしている。これは日米の調達環境の差でもある。

次に売上高と損失。
まず上場直前期の年間売上高

売上2

創業から10年程度、または、それ以内で数百億円〜1,000億円を超える売上高にするのは、一昔前では考えられなかった。驚異的な数字。
インターネットの社会インフラ化、資金調達環境、働き手の意識変化がが大きく影響しているのは間違いなし。

続いて損失

損失2

すべて赤字上場。いずれもSaaSまたは反復継続利用が見込まれる事業なので、赤字を許容しやすい、ということもある。

従業員数は、

従業員数2

(以上、海外企業はS-1、国内企業は上場目論見書より。)


さて、ファイナンスの観点からザックリまとめると、

大きな構想実現には大きな資金がいる。
個人的な話で恐縮だが、私は、業界を革新するような大きな構想が好きだ。
でも、大きな城を築くには、お金がたくさんかかるように、大きな構想を実現しようとすると、多額のお金がいる。

そこで資金調達に向かうが、どんな会社も資金調達は大変だ。それでも、構想の「なるほど感」が出資者の心を動かし、大きなお金も動く。

資金調達は創業から上場までの間に、事業の進捗に応じて何度か行う。
DropboxはシリーズCまで、PinterestとSlackはシリーズHまで行っている。


大きな資金調達で優れた人材を獲得。
資金調達ができると、人材採用を積極的に行える。これで成長スピードがあげられる。
ちなみに、調達した資金の6-7割は人件費に使う。
よい企業風土をつくれれば、よい人材が採用できる。


優れた人材で優れたプロダクトを実現。
優れたプロダクト。これに尽きる。
優れたプロダクトでないと業績は伸びない。なのでここが一番肝心。


資金量に応じた攻め筋
プロダクトにまだまだイケる手触り感があれば、先行投資を継続。
早期黒字化よりも、先行投資で未来の大きな成長を目指し、目先の赤字を許容する。
なお、赤字が続いても倒産しないように、資金を調達する。

ちなみに、いまある資金でプロダクトをイケている状態にできるかどうかが一つのヤマ。イケている状態にできればそれが次の資金調達につながる。

なお、資金調達が難しそうであれば、自走できるように黒字化を優先。そのため人材採用も消極的になり、成長スピードが犠牲に。

また、攻めるタイミングがあって、たとえば、プロダクトがイケていない状況で多額の販促費をかけるのは、砂漠に水を撒くようなことになるので要注意。


上場に臨んでは

上場を臨むタイミングでは、売上や主要KPIが力強く伸びていることが必須。売上は伸びていないが赤字が続いている、だと上場は厳しい。


三種の神器

いずれにしても、構想、プロダクト、企業風土、が三種の神器になる。
構想はお金を、プロダクトは顧客を、企業風土は人材を引きつけるからだ。

そして三種の神器の根底に流れる大義や思想が、すべてを支えていることに間違いない。

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吉島彰宏(よしじま あきひろ)

起業成長のアシストが役割。資本政策が専門。ピースオブケイク、トレタ、クラウドクレジット、Dr.JOY、QON、ワンダープラネット、JARMEC、ウェルモに関与。
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