amazonはこれからどこまで拡大してゆくのだろう?
売上高が10兆円に到達したamazon。
今後どこまで拡大を目指してゆくのでしょうか?
当初は「儲からず設備投資が膨大にかかるため、スケールすることなどできない」と指摘されていましたが、そんな意見を実績で一蹴してしまいました。
世界最大級の品揃え、を目指して今日に至っていますが、取り扱い商品数は、サードパーティの販売品を含めると3億点を超えるといいます。
開拓の余地が膨大なamazonの市場
世界の小売の市場規模は、だいたい2,000兆円くらいあるようです。
そして、毎年増加しています。
次に、世界のECの市場規模はどれくらいでしょうか?
おおよそ、190兆円くらいのようで、これも当然増加基調。
(いずれもeMarketerの情報を参照)
ちなみに、世界トップクラスの小売業者の売上高はどれくらいでしょうか?
ウォルマートが約50兆円でダントツのトップ。
2位以下は10兆円強。10兆円規模にはThe Krogerやcostcoといった企業があります。錚々たる老舗企業群の中、amazonも確実に1ケタ位に入ってきていると思います。
ただ、amazonは、もはや他の小売業者のことは意識していないと思います。市場全体は膨大ですし、顧客へのアプローチがテクノロジー中心ですからね。
人工知能
ホームアシスタントのハードウェア製品としてechoが発売されています。GoogleはGoogle homeという競合商品を投入予定、他社も静観しているだけではないでしょう。
この市場も加熱してくることが想定されます。ただ単にechoの販売とamazonへの注文だけが目的ではないような気がします。
家庭にせよオフィスにせよ、とにかく人のいる空間に入り込み、そこから日常の様々なリクエスト情報を収集する。現在は、人が記載するテキストデータを人工知能に学習させますが、これは日常の中のごく一部のデータと思います。日常会話という、記録に残らない情報を収集し、それを用いて人工知能の精度を上げることに挑戦しているのではないかと思います。
現在は価格が1万円程度しますが、価格を下げて、場合によっては製造原価以下の値段で売ることも考えられます。とにかく住空間・オフィス空間・車内空間に入り、情報収集をする。
すると人工知能が学習して、人の意識が顕在化する前に、その人にとって欲しそうなものを提案する。人の気持ちを先回りすることが可能になるかもしれません。
現在のamazonでの「おすすめ商品」は、協調フィルタリングという技術を使っているかと思います。これは、「これを買った人はあれも買った」という購入履歴に基づいたレコメンドですが、やはりイマイチな面は否めません。
amazonにとって人工知能は、「消費者にとって最適化された究極の商品提案」を目的としているように思います。
物流の取り組みは?
プライム・ナウもスタートしましたし、普通にamazonで買っても、早いものは当日に到着します。もし、ドローンで30分以内に到着するような時代になったら、お店に買いに行くより早く買えちゃいますね。
物流センターもロボット化がすごいです。
2012年に775億円でKIVA Systemという会社を買収しています。現在はamazon roboticsに改名。amazonとしてはかなり大きな買収ですが、この会社は物流倉庫のロボットシステム化の会社です。
ルンバをもう少し大きくしたようなロボットが、倉庫内で荷物を運んでいる様子がYoutubeにアップされています。
以下はamazonが行っているpicking challengeの模様です。
物流倉庫も、工場と同じく、無人化の方向に進んでいるのがわかります。
より早く、より正確に、より低コストで商品を届けるための取り組みが続いていますね。
顧客志向
そしてご存知の方も多いと思いますが、2009年にZapposを950億円で買収しています。amazonの歴史の中で最も高額な買収ではないでしょうか?
この会社は、顧客志向を企業文化の中心にしたことで有名な会社。スニーカーのECというありきたりな事業を、コールセンターを事業の中心に据えることで、世界が注目する企業にした会社です。
ジェフベゾス自身、顧客志向の極めて強いです。そうでないとここまでの事業規模になってもサービスレベルが落ちない、むしろ上げることはできないのでは?と思います。
そのジェフベゾスをして、唸らせた会社と思います。
なので買収目的は、Zapposの「企業文化」と言われています。
人工知能・物流・顧客志向
こうしたことを見ると、「究極の顧客志向をテクノロジーで実現する」ことを通じて、果てしない拡大を進めていると感じます。
では、今後どんな構想と戦略で臨むのでしょうか?
長くなったので次回にします。