プレゼンスライドは、説明資料ではなく、「語り」を補助するツールと思います
プレゼン。
特にスタートアップの資金調達のためのプレゼンは、トークがメインと思うのです。
であれば、スライドは「説明スライド」ではなく、「トークの補助」を目的にしてスライドをつくるくらいが丁度よいかもしれません。
今日は、プレゼンスライドをどのようにしたら、トークを引き立てられるかを考えてみます。
ところで、私たちは電車の中吊り広告を毎日目にします。
いろんな広告がありますね。
でも時々、小さい文字がたくさんあって無意識レベルでスルーしているものが結構ありますよね。
1枚の紙面に、言いたいことを詰めすぎていることが一因です。
すべてを伝えきりたい。
でも、「伝える」のが目的ではなく、「伝わる」のが本当の目的です。
「伝える」と「伝わる」は、真ん中の「え」と「わ」の一文字しか違いませんが、この差がとてつもなく大きいことを痛感します。
文字情報の多いスライドを見ながら、話を聞く時の挙動を確認してみますと、
1.まず、 解読をしようとする。
2.なので、意識が文字に集中する。
3.すると、話を聞き逃がす。
4.結果、 頭に何も残らない。
なんか、プレゼンする側は虚しいですね。
聞いている人の心がどんどん離れていくのは悲しいです。
そこで、プレゼンのスライドは「話を引き立てるためのツール」と考えてみます。
読ませるのではなくて、アイキャッチ。
聞く耳を、目の情報を補助する。
たとえば、スティーブ・ジョブズの製品発表会のスライドは、1ページに「$499」とか、「Even thinner」とか、センテンスが1行のみです。
なので、
伝えたいことを、絞りに絞って、真ん中に一行で記載する。
聞き手は目から最も大切な情報が瞬時に入ってくる。
その後、そのセンテンスの解説を聞く。
センテンスが聞き手の心に確実に刻まれる。
この方が、聞き手の心に残ります。
あと、相手がボールを受け取れるように投げたいですね。
であれば、一回のプレゼンでたくさんの情報を投げるより、本当に届けるべき情報を3つよりすぐって、丁寧に渡す方が親切です。
話が終わって、もし聞き手に、
・誠実そうな人だな。
・この業界にはこんな問題があったのか。確かにITで解決できそうだ。
・この構想はすごそうだぞ。
と、この3つが相手の印象に残ったら十分。
その上で、相手が「これはどういう意味だろう?」とか「もう少しこれが知りたい」と思ってくれたらくれたら最高です。それは質疑応答で説明すればよいですよね。
・全体で本当に伝えたいことを3つ。
・スライド1枚に主張は1つ。
・あとは質疑応答で。
こんな感じがおすすめかな。
ちなみに余力があれば、あとで解説資料をお送りすると喜ばれます。