スタートアップの資金調達 事業の心臓はプロダクト

起業家やスタートアップに関わる方々に、「スタートアップの経営で大切なことは何ですか?」と質問すると、様々な答えが返ってきます。

人材、情熱、ミッション、資金、タイミング、戦略、マネジメント・・・・

10人に聞けば10人とも答えが違うかもしれません。
会社ごとに固有の事情は異なるし、局面によって課題が移り変わりますから、様々な回答があって当然です。
もちろん、すべて大切であることは言うまでもありません。

その中で私が、最も大切だと思うのは「プロダクト」です。
なぜなら、顧客をつくらねば事業になりませんが、顧客をつくるのは「プロダクト」だからです。
あまりに当たり前なので、日常において結構見逃されている気が。

以下はElon MuskのTweetです。

People sometimes forget that a company is just a group of people gathered together to make products. So long as it makes great products, it will have great value.

会社の目的が何であれ、会社が存在する意味は、
” 顧客が喜ぶプロダクトを提供すること “
この1点でしかありませんからね。

プロダクトが顧客やユーザから強く支持されていれば、
事業提携の話が向こうからきますし、
社員のモチベーションはあがりますし、
資金調達も有利ですし、

良いことしかありません。

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さて前置きが長くなりましたが、以前、資金調達のプレゼンスライドの構成例として

1.なぜ事業を始めるのか?
2.登場人物プロフィール
3.プロダクト
4.5年先の未来構想
5.5年先へのあらすじ

と記載しました。今日は「3.プロダクト」にまつわることですが、以下に3点ほど、注意点を記載します。

1.まずは主語を利用者にして話してみる
資金調達のプレゼンでは、プロダクトを図で説明したり、実物を見せたりします。

会社によってプロダクトは様々ですが、どのプロダクトでも、唯一共通する問いは、「顧客やユーザーにどんなメリットを提供するのか?」ということですよね。

この時、最初は主語を会社ではなく、利用者にするのも一案です。
つまり、会社からみた特徴をいきなり話すのではなく、先に顧客やユーザーからみたメリットを話し、その後にそれを支える会社の工夫を話すと理解を得やすいです。

2.プロダクトの性質ごとに主張が異なる
次に、スタートアップのプロダクトは、いろいろな分類ができます。
消費者向け/法人向け、有料/無料、月額/ワンショット課金・・・・

それで、以下の分類では、説明の仕方が大きく異なります。

①既に世にあるプロダクトを置き換えてゆくもの。
(例えばマネーフォワードは従来の会計ソフトを置き換えています)。
②まだ世に価値が表面化していないもの。
(例えば2003年頃のSNSは、まだその価値が疑われていました)。

①は、ニーズが既に存在するので事業の立ち上がりは早いが、競合が生まれやすい。
②は、ニーズが顕在化していないので、市場に受け入れられるのに時間を要するが、競合が少ない。

ですので、

①は競合他社との差別化を主張する。
②はプロダクトの世界観を主張する。

といったことが考えられます。

また、

㋐販売実績がある。または、KPIが伸びている。
㋑プロダクトリリース前後で実績がない。または、KPIが伸びていない。

という違いもあります。

㋐は事例を説明できるし、KPIの伸びは泣く子も黙る説得力があります。
㋑は、「なぜ、あなたのプロダクトはたくさんの人々に使われるようになるのか?」という質問をクリアするのは簡単ではありません。

なので、②と㋑の組み合わせは結構苦労するのですが(笑)。

3.実績が乏しい場合
上の㋑の実績が乏しい場合、資金調達活動では苦労が多いです。投資家の多くは、「うちは売上がなくても検討できますよ」とおっしゃるのですが、現実的にはプロダクトの利用実績が乏しいと、90%は反応が厳しいです。

でも、資金調達できたことがあることも事実です。
どうしてできたのでしょうか?

ポイントは、起業理由・構想・起業家プロフィール、です。

プロダクトの実績が乏しければ、

 なんかおもしろそう。この起業家ならできるんじゃないか?

を引き出す戦いですね。

がんばりましょう。


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吉島彰宏(よしじま あきひろ)

起業成長のアシストが役割。資本政策が専門。ピースオブケイク、トレタ、クラウドクレジット、Dr.JOY、QON、ワンダープラネット、JARMEC、ウェルモに関与。

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